はじめまして、市川智子と申します。2005年から2009年までラインランドプファルツ州のツバイブリュッケンという町で暮らしました。きっかけは主人の赴任です。最初は海外で生活するという知らせに、胸を躍らせましたが、ドイツは大学時代に友人とユーレイルパスを使って旅した思い出くらいしかなく、言葉も大学の第二外国語で学んでいたにもかかわらず全く覚えていないという有様で、不安も少なくありませんでした。
　それまで務めていた会社を辞め新しい人生に踏み出した訳ですが、ドイツでの生活は最初とてもとても寂しいものでした。生まれて３か月の娘が一緒でしたので、語学学校に通うわけにもいかず、日本人はほとんど住んでいないその小さな町で、毎日バギーを押して同じ遊歩道を何度も行ったり来たり一人で散歩するばかりでした。
　ところがそんな私に転機がやって来たのは、私達夫婦にドイツ語を教えてくれることになった婦人との出会いです。歳は私の母と同じで、元々ギムナジウムで歴史の先生をしていたとのことで、主人の会社からの要請に快く応じてくださったのです。Frau アルトはとてもやさしく、私の娘を自分の孫のようにかわいがってくれました。授業以外にも色々な町に一緒に訪れたり、食事に招いてくれたことも度々ありました。Krabelgruppe という赤ちゃんと通えるママさんサークルを紹介してくれたのも彼女です。帰国してから13年以上経ちますが、今でも月1,2回スカイプを通して話しています。私にとってドイツのお母さんです。
　自分の人生を大きく変えてくれた人との繋がりを大事にしていきたい、ドイツとの関わりを深めていきたいと考え、この度入会させて頂きました。そして何より協会の皆様の温かさに触れ、もっと協会のことを知りたいと思うようになりました。どうぞ宜しくお願いいたします。