ドイツ四方山話

【ベートーベンより】

この度の新型コロナウィルス感染の影響を受けられた皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。
今年はドイツの作曲家ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)の生誕250周年。彼の芸術に触れることのできるコンサートが各地で開催される予定でしたが、感染拡大防止のためほとんどが中止となりました。250年を経て今なお、大きな影響力を持つベートーヴェンの音楽は、私たちに感動と勇気と希望を与えます。彼の人生は、聴力を失うという音楽家にとってこの上ない悲劇でしたが、この絶望から這い上がるために彼は芸術家として生きる道を選びました。
有名な交響曲第五番「運命」は、運命に翻弄されながらも立ち向かい、運命に打ち勝つ強さが描かれています。
「つらいことを辛抱しながら考えてみると、一切の災いは、なにかしら良いものを伴ってきている」
「苦悩を突き抜けて、歓喜にいたれ!」
彼の言葉は、新型コロナウイルスの危機を乗り越えるための私たちへのメッセージにも受け取れます。交響曲、ピアノ独奏曲、室内楽曲、オペラなどが書き残されていますが、全ての作品からベートヴェンの優しさを伺うことができ、それらに触れることで不安な気持ちに光が差し込みます。皆様が一日も早く心穏やかに過ごせますようお祈りいたします。
ピアニスト/山口美樹子

関連記事

  1. 《読書案内》孤独を恐れず、古きに尋ねる―佐藤真一『ランケと近代歴…
  2. 《読書案内》独裁者の評伝から考える、人物史の在り方―芝健介『ヒト…
  3. 《読書案内》知的巨人の二つの顔―野口雅弘『ウェーバー』と今野元『…
  4. 《読書案内》「理想国家」と試される古典学者たち―曽田長人『スパル…
  5. 《読書案内》どうしてカントとゲーテの国でヒトラーが?―野田宣雄『…
  6. 《読書案内》かつて「ドイツ」だった場所の歴史を書くこと―衣笠太朗…
  7. 《読書案内》日本ドイツ学への「異議申立」―今野元『ドイツ・ナショ…
  8. 《読書案内》あの時、人は確かに「英雄」を見た―樺山紘一『《英雄》…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


おすすめ記事

  1. 【新しい大阪・神戸ドイツ総領事が着任されました】
  2. 第4回ドイツ・ナレッジセミナーの報告
  3. 日独響演:響き合うチター・チェロ・ピアノ

おすすめ記事

《読書案内》孤独を恐れず、古きに尋ねる―佐藤真一『ランケと近代歴史学の成立』―

如何にもドイツ語風の、ランケという文字列。筆者がこれを知ったのは、高校世界史の授…

PAGE TOP